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イブキ育苗日記 その1

FTNの新人樹木医、佐藤 舞です。
先日たくさんの参加者の皆様と一緒に会いに行った福島県いわき市の大きなイブキの木ですが、このビッグママの子ども達を育てる育苗担当をしています。

春の訪れを感じ始めた3月8日、あきる野さとやま自然塾の児玉理事長のご指導のもと、私たちは神奈川県の鎌倉市でイブキの育苗にとりかかりました。
今回はそのときのようすをご紹介させていただきます。


苗づくりはいわき市から持って帰ってきたイブキの小枝を使った、「挿し木」という方法をメインにすすめていきます。


まずは苗床となるトレーの準備です。
トレーひとつで4~50本の挿し木が出来ますが、今回はこのトレーを12個用意しました。

トレーの中の根やはみ出した根が根腐れを起こさないよう、半割にした竹で嵩上げをして、通気性を良くします。

鎌倉 (6)


ちょっと脱線しますが、ベテランの植木屋さんに教わった竹割りのポイントは…

 ●上(枝葉がつく方)から下(根っこの方)に向かって割ること
 ●真っ直ぐ割るため、節の曲がった部分(芽が出るところ)を通るように鉈を入れること

鎌倉 (1)2

 ●2節目まで鉈を入れたら、あとは一気に両手でパキン!

鎌倉 (3)

鎌倉 (4)

です。
「竹を割ったような性格」とはよく言いますが、この竹割り、ほんとに気持ちいいです!(笑)


嵩上げする割竹は、岐阜県産の乳酸菌堆肥で土留めをします。
この乳酸菌堆肥、機会があったらまた詳しくご紹介させていただきますが、手触りしっとり、でもさらさら、マルチにすれば夏場の草取りも不要にしてくれる、万能で優秀なヤツなんです。

そしてトレーのガタつきを抑えるため、竹の上に杉板を敷きます。
こうしないと穂を挿したときに土が割れてしまうんですね。

杉板は8面をよーく焼いて防腐処理をします。

鎌倉 (13)

木目に沿ってバーナーを当てていくと、すぐに焼き目がつくところとそうでないところがあって、不思議なほど見ていて飽きません。含水量の違いなんでしょうね。



そして苗床の土を用意します。
挿し木はどれくらい根を張ってくれるかがポイントです。
通気性と保水性を確保するため、今回は鹿沼土と、ピートモス多めの柔らかい培養土を使って2層にしました。

鎌倉 (9)



苗床を用意したら、いよいよ挿し木の作業です。
ここでまた竹の登場。
幅1cm、長さ15cmくらいの割竹を、青い皮は残して強度を保つようにしながらナイフで削いで竹串を作ります。

鎌倉 (24)

根っこは挿し穂の切り口にある形成層から作られますが、苗床に挿し穂を直接挿すと切り口をつぶしてしまうので、竹串で土に穴をあけてから挿し穂を挿すためです。
なかなか繊細な作業なんです。



そして挿し穂づくり。
ビッグママからもらってきた小枝の中から、ちょうど良い枝葉を探します。
1年目の枝に2年目の枝をちょっと残した部分を使うのですが、ビッグママの樹齢は約150年、老齢木なので1年ごとの枝の成長があまり良くありません。それでもいくつか見つくろって挿し穂をつくっていきます。

挿し穂にはまだ根がないので、葉をたくさんつけすぎても蒸散量が多くてダメ、逆に少なすぎても光合成できないからエネルギーを作れない。
難しいところですが、軸から出た葉を残して古い枝葉は落としていきます。

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根を出す切り口はカッターナイフでスパッと斜めに切り、しばらく水あげしてから、先ほどの竹串を使って土に挿していきます。

鎌倉 (32)

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このとき根を出しやすくするために発根促進剤を切り口につけることもあります(「IBA処理」といいます)が、イブキの場合は不要だそうです。



そしてハウスづくり。
骨組を作ってから、水やりがしやすいようちょっと工夫してネットと厚手のビニールの2枚重ねでハウスにしました。

鎌倉 (21)

あきる野の畑に移すまで、イブキの赤ちゃんにはこの中で頑張ってもらいます。



このビッグママイブキは8mもの津波に耐えたとっても強いイブキです。
その強い遺伝子を受け継いだ子ども達ですから、いずれは福島の海岸へ里帰りさせ、海沿いの家や人、植物たちを潮風や飛砂から守ってくれるような、そんな木に成長してもらうことを目標にしています。




ところで、今回私がこの育苗をさせていただくのにあたって、同期の樹木医たちから西日本の林業試験場のイブキ育苗資料や、資材屋さんの海岸樹林化工法資料、また実際にイブキ生産をされている関西地域の方からのアドバイスなど、たくさんのお知恵をいただきました。
これから樹木医を目指すみなさま、2週間にわたる樹木医二次試験は全国にこうしたネットワークを広げる大きなチャンスでもあります!

ちなみに私は昨年FTNの樹木医受験応援講座を受講して合格しました!
 ・・・と、宣伝を入れてみました(笑)



本当にまだまだ新米の私ですが、このイブキの子ども達を大きく育てられるよう、これからも頑張っていきたいと思います!


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